吉本ばななさんの名作『キッチン』には、2つの短編小説(「キッチン」「ムーンライト・シャドウ」)が収録されています。
「キッチン」
最後の肉親である祖母を亡くしたみかげと、ゲイバーで働く母(父)えり子との母子(父子)家庭である雄一の物語。
「ムーンライト・シャドウ」
恋人の等を亡くしたさつきは、ジョギング中の橋の上でうららと出会う。
等には変わった弟の柊がいて、彼もまた恋人のゆみこさんを亡くしていた。
うららの不思議な助言と出来事により、さつきは等との永遠の別れを受け入れる。
どちらの作品にも、大切な人の死と残された者の悲しみ、それでも前を向いて生きていく主人公たちが描かれています。
全体として文体が柔らかく、綺麗な文章でした。吉本ばななさんの他の作品も読んでいこうと思います。