宅幼老所

子供のいる老人ホーム

学部4年設計課題

江戸崎における介護サービスの不足

介護業界の人手不足は深刻だが、中でも茨城県は高齢者人口に対する介護施設数が全国で最も少ない。

稲敷市の中心市街地江戸崎には、一人暮らしの高齢者がたくさんいるが、介護施設がない。代わりに福祉センターがボランティアを集めて訪問ケアサービスを行っているが、訪問ケアでできることは買い物や掃除などに限られており、専門的な介護施設が必要である。

週末家族の提案

都心から車で一時間程のこの施設には、都内に住む娘・息子が週末に家族を連れて入居者に会いに来る。ここではお年寄りが先生となり、昔ながらの遊びや畑仕事など都会の核家族では体験できないことを教えてくれる。孫にとってはここが「おじいちゃんち」「おばあちゃんち」となる。

畑の様子を二階から眺める。一人でいても孤独ではない環境。

人を取り込むかたち

介護施設で有効な回遊動線を基本として、閉鎖的になりやすい中庭を外に開き、公園のような空間を作る。建物の内部からは外の森林や田園風景が楽しめる。また、スラブとガラスのうねりによって狭い/広い・内部/外部といった空間が絡み合い、多様な年齢層やコミュニティの人々を取り込める。