隅田川水運の再生と文化観光ネットワークの整備
修士1年前期都市設計
隅田川水運の衰退
かつて隅田川の水運は重要な交通手段であったが、文明開化後は運河が埋め立てられ道路となり、屋形船もあまり利用されなくなった。
東都両国ばし夏景色(国立国際図書館)
まちの親水性の低下
高速道路の高架やスーパー堤防の整備により街は遥かに便利になったが、水辺は構造物に囲まれた殺風景な空間となってしまった。
街と断絶された河川敷
築地を基点とした隅田川文化観光ネットワーク
隅田川沿いには文化的都市が多くあるにも関わらず、各々の接続が悪い。そこで、屋形船を利用した文化観光ネットワークを考える。
隅田川沿いの3地点の目的をそれぞれ築地:食べる、両国:知る、浅草:遊ぶ と設定し、アクティビティを後押しする施設を計画する。
築地:食べる:水運のハブとなる港
街の中心的存在であった築地市場の豊洲移転により、現在の築地は行き場を失っている。そこで、築地に水運の基点となる港を作り、両国・浅草との連絡を図る。
両国:知る:茶器のミュージアム
両国には江戸東京博物館やすみだ北斎美術館などがあり、日本の文化的な暮らしを知ることができる街であることから、船の待合所を兼ねた茶器ミュージアムを計画する。ここでは、全国の焼き物を展示・販売し、茶器を使用したカフェも併設する。
スーパー堤防を超える動線に絡みつくように機能が配置されている。
浅草:遊ぶ:旅の疲れを癒す足湯
浅草近辺は、隅田公園を中心として水辺の整備が進んでいるが、船着場近くには留まる場所がない。周辺には浅草寺の仲見世通りなど歩き回る観光が多いことから、船着場のそばに足湯を設置し旅の疲れを癒す場所とした。