砂の女/安部公房

昆虫採集に出かけた男が、砂だらけの女の家に閉じ込められてしまうという変わった話です。

この砂だらけの村には、家を守るために穴から始終砂を掻き出す人間が必要で、男は村人に嵌められて穴の1つに落とされてしまいます。物語のほとんどは男が穴から出ようとする試行錯誤の場面で、読者の私も一緒に穴から出る策を考えながら読んでいました。

普通では有り得ないようなことがこの村の常識になっていますが、、村を守るためには「郷土愛」という名の「正義」を振りかざす者や、おかしいとは気づいているかもしれないが諦めきって常識に従い続ける者の姿は、現実の社会においても見受けられます。作者は特異的な状況を描くことで、このような社会の歪みを逆照射しているのかもしれません。

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砂の女というと鈴木茂の曲を思い出します。

フレーズがずっと繰り返しで、いつ終わるか分からないあたり小説と似ているかも…?

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